Y 金曜の夜

2009年10月24日

今夜は気分が良い。なぜなら今夜は金曜の夜。そう、明日・明後日は休みなのである。仕事は嫌いではないが、色々な意味でストレスはたまる。たまったものは出さねばならぬ。生活にはオン/オフの切り替えが必要なのである。なので金曜の夜は、むしろウキウキになるべきなのである。
そんなウキウキ気分の今夜は、今から18年ほど前に出会った私の愛車、べスパについて思い出に浸ることにする。
思い起こせば納車直後からエンジンがかからないなどかなりの頑固者で、彼との付き合いは非常に大変なものであった。ヘッドライトの点灯不良やクラクションの故障、オイル漏れからプラグ不良など日常的になんらかの駄々を捏ねられていた。
なんとか機嫌をとって走り出したとしても、日本製のスクーターにブンブン追い抜かれ、上り坂では自分の足で走ったほうがマシではないかと思わせるほど減速してくれる。エンジンがかからず遅刻したことなど数知れず。まったく困った奴である。
出会い当初は完璧なまでのプロポーションに騙され大目にみていたのだが、そのうちこんな手間と金のかかる頑固者なんぞ、、、とブツクサ言いだす。がしかし不思議なことにガップリヨツの付き合いを重ねるうちに彼の具合が大体わかるようになるのである。昔のテレビをひっぱたくと映りが治るそれに似た感じ。
うまくは言えないが、ひたすら頑固者であっても原始的な仕組みでわかりやすく、手間ヒマかけてやがて自分の体の一部のように感じることのできるモノは美しく、かつ愛しく、そしてなにより永く付き合えるのだということを彼から学んだのであった。
そんなことを思い出して、今夜は寝る。おやすみなさい。(Y)

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