上の写真は琵琶湖のほとりにある佐川美術館で撮った写真です。この美術館は敷地の大部分を占める水庭に浮かぶようにたたずむ3棟の建物で構成されています。各々は「日本画家の平山郁夫」「彫刻家の佐藤忠良」「陶芸家の樂吉左衞門」の展示が棟ごとにわかれています。樂吉左衞門館はエントランスから一番遠くにあり、ぐいぐい階段を下りると暗い世界が広がります。その入り口にあるとても印象的な空間が上の写真です。広い床、高い天井の空間の一面の壁に、水庭を通して入ってくる強い自然の光がゆらゆらと映し出されます。幻想的な場となっていました。この経験や設計の中での意思を説明したいのだけれど、言葉にするとこの感動が薄れてしまうような気がして、人は知恵を絞って色々と作り出すけれど自然には到底敵わないのだと圧倒された事は伝えたい。大学1年の時にアメリカでルイス・カーンのキンベル美術館を見た時の感動が再びよみがえりました。こちらは柔らかい光がR屋根の内側の壁を優しく照らし、壁に展示されている作品を自然の光で鑑賞できるようになっているので、佐川美術館の場合とは異なるのですが。当時、設計のいろはも分からない状態で体験したキンベルは私の建築人生の本当のスタートでした。
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