M 大きなダイニングテーブル

2009年9月28日

N’s Houseのテーブルです。
長さが2.8Mもある、とても大きなテーブルです。たくさんのお客さまを迎える事ができるようなテーブルが欲しいとオーダーを受け、設計しました。では、普段はどうするの?邪魔じゃない?と思うほどの大きさですよね。この机は3つに分かれいて、各々高さを変える事ができます。1つ目はダイニングテーブルに、2つ目はティーテーブルに、3つ目は勉強机となって家の中で分散されて役目を果たします。
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↑脚を高くした状態。手前は同じデザインのベンチ
3つの机の天板の材種はサクラで、木目を連続させています。
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特別なデザインではないけれど、上の写真のような、作り手の方がしっかり手間をかけて丁寧に考え、作って下さるような行為の積み重ねの先に、長く愛される物作りがあると考えています。だから、その事を肝に銘じて、設計者は住まい手や作り手の事をとことん想像し、子供を育てるように大切に設計の思考を積み重ねなければならない、と思っています。
さて、脚の仕組みは下の写真のように建築金物である、引き寄せボルトを使って、脚の下部を取り外せるようになっています。
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形の変わる家具は長い時間に耐えられるか、という事が問題になりますが、この机は天板と脚の部分を固定し、脚の上下を分割するようにしてあり、また、その固定金具が建築用という事もあって、かなり安心な設計になってます。ダイニングテーブルが座卓の高さに変わる机はいくつか例があり(脚が折れる、脚を転ばせるなど)、その中でこの方法を選択したのは、たくさんの人が座れるように、脚をコンパクトな単純な形にしたかったからです。机の脚に自分の足が当たって座りにくい、食べにくい様子は少し想像しただけで最悪の状態です。数年前に子供用の椅子のデザインを考えたのですが、この脚の形は、その時の思考から延長されています。
大きなダイニングテーブルについて。
私の家のテーブルも2.4Mの長さで大きなテーブルを置いています。それは、この食卓が家族の団欒の場所になると考えているからです。家族団欒と言えば、リビングですが、ソファに座ってやっている事は何でしょうか、テレビを見る事でしょうか。子供がいる家族になると、みんなが一緒に座るだけの幅がありますか?ソファがあっても、日本人は床座の生活に慣れているので、ソファを背もたれにして、床に座っているケースが多いようです。色々な家族のカタチがあると思いますが、ウチはやはり食事の時が団欒の時間になっています。その他にも、ワーキングデスクになってパートナーとスケッチをしているし、娘が成長したら、この机で宿題をみてあげる想像をしています。家族が集まる場所に大きなテーブルを置く生活はいかがですか?
(M)

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